· 

長井黒獅子について、獅子頭彫師の渋谷正斗さんにお伺いしました。

5/21金曜日放送のFM NCV『スイッチON♪』で
長井市の工藝舎 獅子宿の彫師 渋谷正斗氏のインタビューをお届けしました。

5/22土曜日は長井黒獅子祭でしたね。
コロナの影響で2年ぶりの開催となり、規模縮小の上でしたが、新しくYouTubeでのライブ配信が取り入れられ、ご覧になった方も多いかと思います。
アーカイブも残っていますので、ぜひ。

 https://youtu.be/Tsp4O2Dud3Q

インタビューではまず、長井の黒獅子について詳しくお話いただきました。

長井の黒獅子は出羽三山の山岳信仰、修験道に由来する厄除け、呪術の儀式から派生しているというお話がとても面白かったです。

黒獅子の特徴とも言える、鼻から出た白い毛は、
鼻毛ではなく、鼻ひげであり、
黒幕に染め抜かれた模様は波を表していて、
総じて黒獅子は『龍神』であるということ。

パカン!と打ち鳴らす『歯打ち』で人の中や外にある罪や穢れや災いを食べ、黒幕の中に閉じ込めます。

黒幕の中には、白い『行衣』を着た人々が獅子の足となっているわけですが、その行衣が意味するのは『死装束』。一度死んだことにして、こちらもまた、罪や穢れを幕の中に置いてくるそうです。
そういえば、修験道の山伏も白装束を着ていますよね。それと同じことなのだそうです。

そうして、長く黒い幕のなかに沢山の罪、穢れ、災いを取り込んだ獅子は、翌日、野川にて『幕洗い』をして、全ての厄を清めるのだそうです。

昔から地元のお祭りで親しんでいて、大好きな獅子の知らなかった逸話を聞き、ますます興味が深まりました。

獅子舞と獅子踊りの違いも改めて知りました。
獅子舞は複数人が獅子の中に居るもので、
獅子踊りは独り立ちの獅子を指すそうです。
言われてみれば、確かに!

また、黒獅子と赤獅子の違いについても教えていただきました。おおまかに言うと、
黒獅子が山伏系・厄祓いであるのに対し、
赤獅子は神楽系、つまり、神を楽しませる舞をする目的があるとのこと。
これも興味深いお話でした。

5/28金曜日放送のスイッチON♪でもインタビューの続きをお届けします。
今度は置賜地方における獅子頭事情について。

どうぞ、お楽しみに!